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2017年3月20日月曜日

アコースティックラボとオヤイデ電気コラボイベントのレポート




去る2017/3/18、防音ルームの専門会社アコースティックラボで、オヤイデ電気試聴会が実施されました!


アコースティックラボは、スタジオなどプロ向け防音工事の専門施工会社「アコースティックエンジニアリング」、ピアノ室などの専門施工会社「アコースティックデザインシステム」の関連会社で、オーディオルームなどの個人向け防音ルームの設計施工を行う会社です。2時間の試聴会を2回行ったのですが、まずは冒頭で同社の概要を10分ほど説明。鈴木社長の熱弁に参加者の皆さん聞き入ってました。

 続けてオヤイデ電気の私、みじんこ荒川の司会にて、屋内配線の聴き比べを敢行。あらかじめ分電盤から4系統引き込まれた専用線。工場などに使われる頑丈なCV8ケーブル(メーカー不詳)、エコシースFケーブルと俗に言われるEEF2.0(メーカー不詳)、そしてオヤイデ電気のFF-20 V2、オヤイデ電気のEE/F-S2.0V2の計4系統が各々、オヤイデ電気のベリリウム銅無メッキ壁コンセントR0に直結。さらに、ごく普通の1.6ミリFケーブルで国内配線された2極壁コンセント(同社では雑コンと呼んでました)も壁に備えられており、まずはこの雑コンからオーディオシステムに給電した場合の音をみんなで聴き比べてみました。

同社試聴室のオーディオシステムは、・ユニバーサルプレーヤー:OPPO PDP-105 ・プリアンプ:アキュフェーズC-2420 ・パワーアンプ:アキュフェーズP-4200×2(バイアンプ駆動) ・スピーカー:B&W 802 D3と、充分な性能を誇る機器で、試聴室はオーディオルームの専門会社の試聴ルームだけあって、バランスの整った、程よい響きのある、かといって響き過ぎない、満足すべき音でした。

次に、CV8につながれたR0に電源タップを接続し、音を聴いてみました。スケールがグーンと広がり、解像度、ダイナミックレンジも向上。一般の1.6mmFケーブル&2極壁コンセントとの違いは劇的!

次にEEF2.0に切り替えて聴いてみると、しなやかさと繊細さが向上する一方、CV8の低域の迫力は影を潜め、上品な音に。

 さらにオヤイデ電気のFF-20V2に替えてみると、奥行き感や音の粒立ちの向上が顕著で、ベールが一皮剥けたという月並みな表現がふさわしいクオリティアップ。
 EE/F-S2.0V2は、FF-20V2よりやや大人しめの印象で、これは好みの分かれるところ。これまではキースジャレットのピアノ曲で試聴していたのですが、女性ボーカルものに替えて聴いてみようということで、今井美樹のCDで EE/F-S2.0V2とFF-20V2を再度聴き比べ。挙手の結果、FF-20V2が大勢。

しかし、 これには理由があって、EE/F-S2.0V2はこのイベントに間に合うようにイベントの前日に急きょ施工していただいたもので、出来立てほやほや。通電したてでエージングがこれから始まる。一方のFF-20V2は3か月ほど経過し、充分エージングを終えた状態。ケーブルのエージングについては、そんなものあるわけないと主張する人もいれば、エージングはたしかにあると言われる人も。世の大勢はエージングで音が変わるというもので、私も今までの経験上そう思います。エージング時間も諸説ありますが、私的には、通電してから20時間くらいでかなりの変化が見られ、通電60時間くらいでエージングによる音の変化はほぼ落ち着くといったところです。通電したての頃は、音が歪っぽかったり、音がかさついていたり、ピンボケだったり、あまり良くないことが多いのです。しかし、数時間もすれば音がこなれてきます。20時間ほど、すなわち翌日あたりには別物のケーブルに生まれ変わるほどの変化を見せるケーブルもあります。

というわけで、EE/F-S2.0V2の真価を聴くために、あらためて数か月後にでも試聴会をやりましょうか?という半分冗談、半分本気のトークで屋内配線の試聴は無事締めくくられました。

 いったん休憩をはさんで、参加者の皆さんは、鈴木社長の案内で他の試聴ルームを見学。そして後半はオヤイデ電気の電源ケーブルを聴き比べました。電源ケーブル交換に使用したのは、第一部ではOPPOのユニバーサルプレーヤー、第二部ではブリキャスティデザインのDAC。

・オヤイデ電気 L/i50 R2.5
・オヤイデ電気 L/i50 V4
・オヤイデ電気 L/i50EXs
・オヤイデ電気 BlackMamba-αV2
・オヤイデ電気 BlackMamba-ΣV2
・オヤイデ電気 TUNAMI GPX V2
・オヤイデ電気 TUNAMI GPX-R V2

これらを一斉に次から次へと聴いていくのですが、同じメーカーの同じようなケーブルでも、プラグの材質やメッキの違いで随分と音が変わるものだと、実際の耳で体験いただきました。電源ケーブルはオヤイデ電気の主力商品なだけに、四半世紀以上続くL/i50シリーズの最新モデルから、今世紀に入って設計されたTUNAMIシリーズ、BlackMambaシリーズ、それぞれに音の傾向が違うのです。
L/i50シリーズはシリコン絶縁によってケーブルが柔らかく、音もいい意味でソフトで聴きやすい。中でもL/i50EXsは銀/ロジウムメッキのP-037/C037が装着されていて、高域の抜けの良さと鮮明度が際立ち、この試聴システムにもマッチしていました。
BlackMamba V2およびTUNAMI V2は、L/i50シリーズとは趣を異にするワイドレンジ系サウンドで、現代調のハイファイオーディオシステムに相応しい鳴りっぷり。Li50に比してケーブルが硬く頑丈で、これが強いエネルギー感のある音色に影響している。導体はオヤイデの102SSCを使用しており、これが鮮度の高さ、レンジの広さに大きく影響している。BlackMamba-αV2はフラットですっきりとしたモニター調、BlackMamba-Σ V2はしなやかでしっとり調。女性ボーカルに合う柔和な雰囲気。TUNAMI GPX V2は低域の量感豊かにどっしりとしたピラミッド調の帯域バランス。高域はまったりとして、意外とソフト。TUNAMI GPX-R V2は、TUNAMI GPX V2で抑えられがちだった高域の伸びと輪郭の鮮明さがプラスされ、万人受けのワイドレンジサウンドに。私からは、BlackMambaV2シリーズをプリアンプやCDプレーヤーなどの小電力機器に用いて、TUNAMI V2シリーズをパワーアンプやプリメインアンプなどの電力消費量の高いオーディオ機器に用いると、バランスの良い再生音が得られるとアドバイス。電源ケーブルによる音の変化に、来場者の方々も関心を寄せていただいた事と思います。

オーディオをやっていても、電源ケーブルを純正から単売品に交換してグレードアップしている人って、今回の試聴会でも挙手をしてもらったんですけど、2〜3割ほどなんですよね。まだまだ電源ケーブルの効能を知らない人が多い。知っていても実際に自宅で試すには至っていないのです。それは本当にもったいない。近年のオーディオ機器は、電源ケーブルが3Pインレット着脱式(IEC60320 C15/C16規格)になっている機種が多いので、この記事を読んで興味を持った人は、ぜひ自宅のオーディオ機器の電源ケーブル部分をチェックしてみてほしいです。そして電源ケーブルが着脱式になっていたら、交換してみてほしいです。

余談ですが、壁コンや、壁コンまでの屋内配線が普通のものであったとしても、壁コン以降の電源経路を普通のOAタップ経由や、電源ケーブルの壁コンセント直挿しにするよりも、質の良い電源タップを介して、各オーディオ機器に電源供給してやる方が、高音質になる事が多いです。音声信号が通るわけではない交流電源のケーブルやコンセント、電源プラグのクオリティがなぜ音質に影響するのか、様々な説が唱えられていますが、実際に音が変化するのは事実。普通の2極壁コンにさし込める電源タップとしてはオヤイデのOCB-1DXsがあります。このタップを経由して、各オーディオ機器にLi50やBlackMamba V2およびTUNAMI V2などの電源ケーブルを使って、各オーディオ機器に電源供給するのです。それだけで、あなたのオーディオ再生音は見違えるほどグレードアップするでしょう。

ずいぶん話が逸れましたが、試聴会の模様に戻って、お次ぎはEntreqの仮想アース装置、MINIMUS/SILVER MINIMUS/SILVER TELLUSの試聴。最後の方で時間がなかったので駆け足での試聴でしたが、仮想アースを付けたときの音の違いを皆さん感じ取っていただいたようです。SILVERと名の付く品番はボーカル帯域および高域の解像度を高める傾向にあり、SILVERの付かない機種、つまりMINIMUSは中低域の解像度を高める傾向にあります。SILVER TELLUSは、大型機種であるだけに余裕のある利き方を示しました。小型機種のMINIMUS/SILVER MINIMUSも、スケールがわずかに小さくなるものの、遜色ない効果を発揮。これでオヤイデの試聴スケジュールは全て完了。

最後に、アコースティックラボのオーディオルームの施工事例を、同社鈴木社長および草階氏より説明。季刊オーディオアクセサリーに掲載された記事を事例に挙げながら、施工の要点や電源周りの配線方法を説明。第一部と第二部は概ね同じ内容でしたが、それぞれ2時間弱みっちりとオーディオ三昧の試聴会でした。今回の催しをご提案いただいたアコースティックラボの鈴木社長、草階さん、スタッフの皆様、そしてご参加いただいた来場者の皆様に感謝!

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