吉祥寺のジャズ喫茶メグでの今年二月のオヤイデイベントの歪トラブルを受けて、寺島氏からメグの配線やり直しの依頼を受けた私ですが、これがなかなかに大変なやり換えで、実際には数回に分けてやり換えました。
完成した電源配線たち。帰宅後に自宅で延々と作ってました。依頼から1カ月ほどを経た2月下旬。
寺島さんに配線が完成sた旨をご連絡。寺島さんと中塚さんご同行の元、朝9時にメグを特別に開けてもらい、正午の営業が始まる時までに、ステージ裏の電源配線を根こそぎ取り換えるという荒療治。ついでに大掃除も。
白いIECコネクターが付いた電源ケーブルは、ケーブルがオヤイデTUNAMI V2、電源プラグがハッベルL型8215CAT、IECコネクターがオヤイデC-004のTUNAMIGPX-R仕様品。これらの4本は、パワーアンプ2台、パワードスピーカー2台に接続されます。
DFZ3222Kの底面には、御影石+ブチルゴムベースOCB-BSをエポキシ系接着剤で2枚重ね貼りし、設置の安定を図りました。
メグのオーディオシステムに電源供給していた壁コンセント。宙ぶらりんで危険極まりない。これはあくまで一例で、オーディオシステムやピアノの裏側は、カオス状態。私が2月のイベントで、メグの配線を見たとき、スピーカーケーブルはアコリバ、プリ-パワーアンプのラインケーブルはディスクショウワ、パワーアンプの電源
ケーブルはアルテス製と思しきもの、ステージ上からアルテスのクリーン電源までは一般のOAタップにゾノトーンの電源ケーブルを継ぎ足して延長したもの、
その他、どこにもつながれてない電源ケーブルや用途不明のケーブルの切れ端がピアノ裏に幾重にも折り重なっていました。さらに、インシュレーターや、電源プ
ラグ、その他さまざまなプラグ類があちこちに散乱し、それらの上に埃や紙くずやその他いろいろなモノたちが堆積。それはもう宝の山と言うよりは、
ゴミ捨て場みたいになっていたのが、2月のイベントの際に、はじめてピアノの裏に入った時の状態でした。音質云々以前に、よくぞこれでいままで電源の接触
不良による火災が起きなかったものだと思ったものです。
この宙ぶらりんの壁コンセントをまず天井の壁コンセントから外す。これがステージの天井の梁に取り付けられていた壁コンセント。長年の使用でヤニまみれになっていた。この壁コンセントも取り外す。オーディオ用の壁コンセントと、頑丈なコンセントボックスに取り換えるのです。
メグでの取り付け工事の様子。コンセントボックスには未来工業のPVR-16-2Kを使用。黒い箱がPVR-16-2Kです。壁コンセントにはオヤイデのR1を使用し、確実な挿しこみ強度と音質向上を目指しました。白いコンセントがR1です。そして、このPVR-16-2Kコンセントボックスを起点に、パワーアンプ用の給電タップ1台と、パワードスピーカー(DUOのウーハ―部分)の電源タップ1台をそれぞれ接続。
さらにPVR-16-2Kの2箇所あるうちの出口側のケーブル引き出し口からFケーブルFF-20V2を引っ張り出し、イベント用の仮設電源タップをステージ床面に設けました。これは仮設電源タップの写真です。
パワーアンプ用の給電タップには、前回の愛好会の時、アルテスのクリーン電源の代わりに置いていったオヤイデのMTB-6をそのまま使用。パワードスピーカーの電源タップには、今回製作したDFZ3222Kケースの電源ボックスを使用。
実は今回のやり替えでは、イベントの際に置いていったMTB-6を回収し、代わりに DFZ3222Kケースの電源ボックスを設置していこうと考えていたのです。上の写真は電源タップを交換し、さらに新しく据え付けた電源タップから各オーディオ機器へ電源ケーブルを配線し終えたところの様子。で、この状態で寺島さんに音を聴いてもらったら、かなり良くはなったものの、まだしっくりこないと言われ、タップを2台使ってみてほしいと言われました。DFZ3222KとフジクラCV-Sの組み合わせなる電源タップの音は、カツーンと爽快で、ビシバシと音が飛んで来る、一部においては寺島さん好みの音色でした。しかし、潤いと言うか、音の厚みや中域から下の充実感のようなものは、さっきまで使っていたMTB-6の方が明らかに勝っていたのです。
そこで寺島さんから提案があり、回収しようと思っていたMTB-6をそのまま残し、4本の電源ケーブルのうち2本をMTB-6に接続しなおしました。そした
らなんと音が劇的に良くなったのです。メリハリが付いて、なおかつ潤いもある、これは現時点でベストバランスな音になったと、みんなで大喜び。
上の写真が最終的に落ち着いた電源配線。2台の電源タップから、さらにTUNAMI V2 自作電源ケーブルでパワーアンプやパワードスピーカーで電源供給。それぞれの電源ケーブルは必要長さにプラスアルファ若干余裕を見て製作したのですが、やや長過ぎた感もあり、ピアノの背面でTUNAMI V2がのたうちまわる感じになりました。ま、それでも以前のごちゃごちゃ配線に比べたら格段に整然とした電源配線にリフレッシュされました。
外した配線たち。全部ではありません。実際にはこれの数倍の不要な配線たちを取り除きました。時間はやはり正午ぎりぎりまで掛りました。
ステージ上のコンセントから先の電源配線を刷新し、出音に聴き入る寺島さんと中塚さん。
ところで、わたし今回の配線やり替えで思いましたが、これまでメグには様々なオーディオメーカーやケーブルメーカーやアクセサリーメーカーが出入りした り、イベントをやったりされたわけです。で、当然ながらそのメーカーの人たちが置いて行かれたであろうケーブルで、メグのオーディオ配線は成り立っていた のです。おそらくそれらメーカーの担当者は、メグのピアノの裏面を見たときに、これはどうにかしなければ、と思わなかったのでしょうか?私は余計なお世話 かもしれませんが、寺島さんから依頼を受けずとも、メグのケーブルの危機的状況を見過ごすわけにはいかず、配線の全面やり替えを私の方から提案していたで しょう。たしかにお金にはならず、時間も掛り、足しげく何度も通わなければならず、ボランティアみたいなものなので、そうそう遠方のメーカーさんはタッチできないでしょう。それゆえに、私はこの時期にメグのイベントを行い、幸いにもイベントでトラブルがあったが故、寺島さんの鶴の一声によって、私にお声が掛り、メ グの危機的状況からの回復に一助を成すことができたのだと思います。今回の配線やり替えは、私と寺島さんとの間を取り持つ愛好会会長の中塚さん、お店の店 員さん、それに今回のメグの配線やり替えに一切口出ししなかったうちの会社の社長、そのいずれが欠けても、スムーズに行うことはできなかったでしょう。
さて、この2月のメグでの配線取り換えは、メグテコ入れ作戦の序章に過ぎません。続きはまた今度。
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