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2014年9月4日木曜日

AK240/AK120Mk2/AK100Mk2ユーザーに朗報!オヤイデ電気秋葉原店で2.5mm4極プラグ発売開始!

近年高まるポータブルオーディオケーブルの自作。ここ数年の間に、オヤイデ電気秋葉原店でも従来のピュアオーディオケーブル自作に代わって、ポータブルオーディオ用の交換ケーブル自作用のパーツを求める来店客が増えています。これも時代の流れなのでしょうね。


さて、昨年の発売以来、ポータブルオーディオ市場で話題を振りまいているアステルアンドケルンのAK240。AK240はハイレゾプレーヤーの最高機種として、20万円台もの高額にも関わらず、とても売れているようです。


さらに今年に入りAK120Mk2、さらにはAK100Mk2と、AK240の下位機種が続々と登場。これら3機種に共通しているのは、バランス出力を有していること。このバランス出力が一癖あって、なんと2.5mmマイクロプラグ(2.5超短頭プラグ)の4極なのです!なぜ3.5ミニプラグでないのか、これは通常のシングルエンド接続用のヘッドホンジャックと、挿し間違えないようにするための措置だったようなのです。しかし、2.5mmプラグは3.5mmプラグに比べて一回り小さいこと、またこの小さな2.5プラグに、3.5ミニプラグでさえトラブルの多い4極仕様を採用していることで、AKシリーズのバランス出力は電極の接触不良による導通不良、すなわち音が出ない、音が途切れるなどのトラブルが多発するのです。これにはオス側のプラグの精度の悪さもあるのですが、受け側、すなわちプレーヤーの2.5ジャックのヤワさにも問題があるのです。さらには、AK240の初期ロットにおいて、この2.5ジャックがプレーヤー本体のケースに対して埋没して内蔵されるという不具合があり、これによって2.5プラグの根元側の電極がプレーヤーのケースと接触。これにより左チャンネルのコールドがカバーとショート。左チャンネルの音が出ない、ノイズが乗るといったトラブルが発生する例があるそうです。


そうは言ってもAK240の登場以来、世界中で2.5マイクロプラグの4極仕様の需要が急に高まったのです。どこに行っても、オヤイデさんで2.5mm4極プラグ作らないんですか?と尋ねられたものです。しかし、オヤイデ電気では採算と開発費と想定されるトラブルを鑑みて、2.5マイクロ4極の開発を早々に断念。なお、従来品としてはマル信無線製のMP-425という安っぽいニッケルメッキ電極樹脂製カバーもの、およびこれのL型タイプくらいしか流通していませんでした。ちなみにMP-425は、秋葉原では千石電商で、1個200円で入手できます。




そうこうしているうちに、さすがは素早いメーカーがいらっしゃるもので、2014年6月には、中村製作所がNP-254という高品位な金メッキ2.5の4極プラグを製品化。P-254は、電極があまりに小さくハンダ付けしにくい2.5ミリマイクロ4極プラグの欠点を解消すべく、プラグ内部にハンダ付け用の基盤を内蔵。これによりハンダ付けを容易にしています。反面、基盤を内蔵するスペースを確保するため、プラグカバーの直径が必然的に大きくなってしまっています。値段は3,024円で、中村製作所のオンラインショップのみでの販売のようです。ポタフェス2014春の会場では、中村製作所のブースにおいて発売記念特価の2,000円で販売されていました。初の高品位2.5ミリマイクロ4極プラグだったので、まとめ買いされる方が多く見受けられました。

また2014年夏にはベンチャークラフトから2.5mm4極プラグが発売されました。これはNP-254に比べてスリムなものの、カバーがずいぶんと長いです。これは、ハンダ付けしやすいよう内部電極が余裕をもって配置されているため、必然的に内部構造物が長大になっているためです。また、内部電極間のショートを避けるため、電極が上下に交互に配置されています。値段は実売3,996円と高額です。

両者ともに国内製造で精度も高く、2.5mm4極でありがちなピンの傾きも見受けられず、値段だけのことはあると思います。両者とも、通常のミニプラグを逸脱する高額になっているのは、小ロットで製造コストが高額であろうことと、NP-254の場合は基盤やカバーの仕上げにお金が掛かっていること、ベンチャークラフトの場合は、ピンを新規開発しているので、その金型の製作費用が膨大なことが起因しているものと思われ、この値段になるのもやむを得ないと思います。

さて、そんな混迷と盛り上がりを見せる2.5mm4極プラグですが、オヤイデ電気は全く何もしていなかったわけではありません。自社開発は中止しましたが、提携先の海外のプラグメーカーに開発を委託。なんと320円という低価格で2.5mm4極プラグAP2.5-4041-4Poleを製品化しました!先月から発売開始したのですが、かなりの売れ行きです!AP2.5-4041-4Poleはオヤイデ電気秋葉原店限定販売です。


この2.5mm4極プラグ、アルミカバーのスリムな外観で見た目良し!メッキは金メッキで音質にも配慮!ケーブル開口径は4ミリと、イヤホンケーブルの自作に最適な穴径を確保。内部電極はとてもせせこましく小さいので、上級者向けのハンダ工作を要します。正直言って、腕に自信の無い人には不向きです。また、ハンダの熱を掛けすぎると、絶縁樹脂が溶けて、電極がショートしてしまうので、素早いハンダ付けが必要。とにかく、2.5ミリ4極プラグのハンダ付けは難しいのです。失敗するのを見越して、数個まとめ買いするのがいいでしょう。ま、失敗しても1個320円(税抜)なので損失額は少なくて済みます。では、AK240/AK120Mk2/AK100Mk2ユーザーで、バランス出力を試してみたく、かつケーブル自作の腕に自信のある方、そして一度や二度の失敗なんてなんのそのという方、オヤイデ電気秋葉原店で売っているAP2.5-4041-4Poleを使って、バランスイヤホンリケーブルにぜひチャレンジしてみて下さいね!

2.5mm4極プラグで音の良い自作リケーブルを作るには、銀メッキ7/0.12(0.08SQ)撚線ジュンフロン(FEP)被覆などのハンダ熱に強く、かつ細いケーブルを用いること。ハンダには、音が良くて溶けやすい無鉛銀ハンダSS-47がおすすめ。SS-47の中でも0.3mmの極細が良いでしょう。ハンダコテは、ハンダの馴染みが良く、かつ小手先が細いハッコー40W(No.502)をおすすめします。ケーブルには必ず予備ハンダをし、できればプラグにも予備ハンダをしましょう。予備ハンダは盛りすぎないこと。電極とケーブルのハンダ付けは、双方の予備ハンダ部分を慎重に重ねた上で、コテ先を少し当てて予備ハンダを溶かし、一瞬で済ますこと。ハンダが多すぎた場合は、隣の電極とのショートの危険性が高まるので、ハンダ吸い取り線ソルダーウィックで吸い取ること。コテ先は、ハンダが馴染みやすいよう、チップリフレッサーBS-2に浸すなどして、常に奇麗にしておくこと。

ところで、AP2.5-4041-4Poleの方が、一回り大きい3.5ミリ4極プラグ(AP-3.5-4041-4Pole)より高額なのに不思議さを感じる方もあろうかと思います。これには理由があって、小さいプラグの方が大きいプラグに比べて、より高い精度を保つ必要があり、必然的に製造コストが掛かるためです。

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