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2013年10月29日火曜日

福田雅光 先生とみじんこ荒川とのオーディオアクセサリー座談会の様子。



オーディオホームシアター展2013(音展)のオヤイデブースで開かれた、福田雅光
先生と、オヤイデ電気の私みじんこ荒川とのオーディオアクセサリー座談会の模様をレポートします!開催日は10/20で、20名あまりの参加者のもと、開かれました。

まずは私から今回の試聴システムについてご説明。アンプはエレクトリさんからお貸し出しいただいたヘーゲルH100、CDプレーヤーがヘーゲルCDP4A、スピーカーがフォステクスG1300です。

まずは電源アクセサリーの重要性について福田先生からコメントをいただきました。


オヤイデ電気のR0を例にとって、壁コンセントを換える事で、オーディオの再生音の底上げを図る事ができるということを強調されていました。


福田先生と私とのやりとりでは、壁コンセントの歴史について、1990年代の中半に松下電工(現:パナソニック株式会社)の医科向けコンセントWN1318がオーディオの音質向上に有効であることが認知されて以降、90年代の後半にオーディオグレードの壁コンセントが登場し、今に至ることなどをお話ししました。


さらに、福田先生からは、壁コンセントにオーディオからの電源ケーブルを直挿しするより、オーディオ機器までの間に、高品位な電源タップを仲介してやった方が音質を整える効果がある事をご説明。オヤイデのOCB-1SXを例にとって、この電源タップに使われているBlackMambaという直出し部分の電源ケーブルの音質の良さについても、お話しされました。
次いで福田先生の著書「旬の音本舗福田屋」をご紹介。書籍冒頭の福田先生の自宅システムを眺めながら、一昨年の大震災の際、福田先生宅ではスピーカーが転倒して大変だった事などを振り返りました。

お次ぎは、10/19に発売となった音楽之友社刊「自作でオーディオアクセサリーPART2」についての話題。このRCAキット本は3,885円ながら、凝りに凝ったRCAプラグとPCOCC-A単線ケーブルからなるRCAケーブルがハンダ付け無しで工作できることに加え、福田先生から39,500円の音質的な価値があるねぇ〜との高評価をいただきました。うーん、ずいぶんと具体的な金額だなぁ、とのことで皆さんの笑いを誘いました。ま、一桁上の音質が低価格で得られるなんて素晴らしい事じゃないですか。

それもそのはず、このRCA工作キットは企画段階で福田先生のご要望を最大限に取り入れたキットなんですよとお話し。いや、僕はあまり関係してないからとおっしゃれていましたが、いや先生、ネジ止め式RCAプラグの試聴記事とか、たくさんこの本に書かれていますよ、と私からお話すると、あぁ〜そうだったねぇと福田先生。


RCAプラグを黙々と眺められる福田先生。

これがその付録RCAプラグ。プラス、マイナスともにネジ止め固定式なので、無ハンダでケーブル工作ができます。ずっしりと重いです。


このプラグ単売しないの?これは良いよ、とっても!と福田先生もご満悦の様子。検討してみます、と私。

そして、皆さんでキット本のRCAケーブルを比較試聴しました。素組でも十分に高音質である事が皆さんの前で証明されました。


次いで、このRCAケーブルにメッシュチューブを掛けたケーブルを試聴。さらに音像が明瞭になり、音抜けも良く、メッシュチューブによる音質向上効果を確認。このケーブルは3日間会場で鳴らしっ放しだったので、エージングの影響も大きいと思います。


次いで、福田先生が持参されたネジ止め式RCAケーブルを用いた自作RCAケーブルを複数試聴。これは月間ステレオ紙面で福田先生が工作されたものです。


ノーブランドのRP-1013ZARHを両端に、ケーブルにアクトロニックデバイスの0.9mm単線ケーブルを用いたRCAケーブルでは、ロジウムメッキプラグらしいハイ上がりで音像明瞭な音になりました。

片側に金メッキRP-1013ZAGと、他方端にティグロンのマグネシウムカバーRCAプラグを装着し、ケーブルにアクトロニックデバイスの0.9mm単線ケーブルを用いたケーブルは、高域の程よい繊細さと、中域の充実感が相まって、バランスの良い、聞きやすい音色でした。このように、両端で違う傾向のプラグを装着するのも面白いということを福田先生は述べられていました。さらに、フルテックのF-111Gとゾノトーンの2本平行スピーカーケーブルを使用したRCAケーブルを試聴しましたが、これは良く言えば肉厚でしたが、音像がぼやけてあまり良い印象は感じられませんでした。


さらに、オヤイデのRCAケーブルを一斉試聴!試聴ソフトは福田先生ご持参の高音質CDを使用。


PA-02TRは明るい音色とハイスピード感溢れる音楽表現で、エントリークラスながら十分な出来映え。


次いでACROSS750RRでは、素直でバランスの取れたニュートラルサウンドで、音場感も、音像表現も上出来。


TUNAMI TERZO RRでは中低域に厚みを持たせたパワフルな表現力。ここまではPCOCC-A導体を使用したRCAケーブル。


最後に5N純銀単線を使用したAZ910を試聴。これはパッと華やぐ高域の広がりと、粒立ちの細かい微粒子サウンドで、ハイエンドに相応しい鳴りっぷりを披露しました。

最後に、スウェーデンはEntreq社のグランドボックス「Tellus」と「Silver Tellus」を試聴。これは仮想アース装置の一種で、オーディオ機器のアース配線に結線する事で、オーディオ機器のアース回路に乗った迷走電流を吸収し、音質向上を図るというオーディオアクセサリー。ケースの中身には、金、銀、銅、亜鉛、真鍮などの金属や、ミネラルミックスと呼ばれるエントレックの独自配合による物質が充填されています。


上写真は、香港のオーディオ出版社「オーディオテクニーク」の試聴室で稼働する「Tellus」。この製品、詳しい構造は不明ながら、以前、我々オヤイデのスタッフが香港へ赴いた際、この試聴室で確かに効果があるということを体験。まだ日本へ導入されていないこのアイテムをオヤイデが日本の皆さんに届けようということで、今回のお披露目となりました。日本導入は来春の予定です。

この「Tellus」と「Silver Tellus」、アンプ並みの重さがあります。「Tellus」は15kgほど、「Silver Tellus」は25kgほどです。幅は435mmとフルサイズのコンポサイズです。この会場で本当に効果が実証できるのか、試聴開始まで不安だったのですが、実際に音出ししてみると、これらグランドボックスの有無ではっきりと差がありました。


今回の試聴では、アンプのXLRの空き端子とグランドボックスとの間を、専用のアースケーブルを用いて接続。アースケーブルをワンタッチで抜き差しすることで、効果の有無を確認しました。グランドボックスの背面にはスピーカーターミナルのような端子が設けられていて、バナナプラグやYラグでアースケーブルを接続可能です。各ターミナル毎に内部は仕切られているようで、複数のアースケーブルをオーディオ機器に接続してもアースループは起きません。

グランドボックス無しの状態では、高域に少し曇りがかっていた雰囲気があったのですが、有りの状態では俗にいうベールが一枚剥がれた印象で、高域の曇りがぬぐい去られ、奥行き感が増して聴こえました。また、「Tellus」では重心が下がってピラミッドバランスな音色に、「Silver Tellus」では高域の抜けの良さがスーッとどこまでも透き通るような印象で、全域に渡り研ぎすまされた音像が展開。どちらが好みかは人それぞれだと思いますが、私は「Tellus」の方が好ましく聴こえました。座談会後の試聴者の感想でも、どちらが好みだったかは半々だったようですが、みなさん一様に変化があったとおっしゃれていました。

というわけで、2時間ぴったりで、無事に座談会は終了。あっと言う間に時は過ぎて行き、楽しい座談会になったと思います。参加いただいた皆さんありがとうございました!福田先生もおつかれさまでした!

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